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2周年記念創作だよ?


2周年記念の創作で?す

ただの記念創作じゃありませんよぉ!
作品を公開する許可を関係各位様に頂いておりましたら
快諾と一緒に、素敵なイラストと次週はありませんが次週予告(笑)を頂けたのです!!
少しだけ、協力をお願いしましたが…ww

公開を了承して下さった 舞方雅人 様
素敵なイラストを下さった g-than 様
素敵な次週予告×4 を下さった Enne 様
xsylphyx のわがままをお聞きくださりありがとうございました


それでは皆様、ごゆっくり味わってお召し上がり下さいませ









魔法機動ジャスリオン2nd  第10話『マナミとチヒロ』



19時15分
川霧女学園『パソコン研究会』の部室だけ明かりが灯っている。

「あとは静電気に気をつけてメモリーを取り付けるだけっと」
「またぁ こんな時間まで残ってちゃダメだって言ったでしょう!」

戸締りの見回りをしていた大河内真奈美(おおこうち まなみ)が苦笑いで常習犯に声をかける。

「あっ 真奈美先生  もうちょっと、もうちょっとで新しいパソちゃんが組み上がるの! あと30分だけ 30分で帰りますからお見逃し下さいませ」

手を合わせて拝むように頭を下げる常習犯、パソコン研究部部員三枝椎子(さえぐさ しいこ)。
彼女は川霧女学園2年生で真奈美も日本史を教えていた。

「だ?めっ 直ぐに帰る用意をしなさい」
「あうッ… で、でも… このパソちゃんをこのままの姿で放って帰るなんてわたしには……真奈美先生! 真奈美先生は大好きなケーキを半分だけ残して止められますか!! 彼氏と会って、おやすみのキスもしないで別れて帰れますか!!! どうなんですか!!!!」
「いや…あのね三枝さん ちょっと例えがヘンかな… それと…いないんだな…彼氏…」
「そうでしたか それは失礼… ってことで、あと30分だけわたしに時間を下さい」
「軽く流すなっ!!  仕方ないなぁ わたしが迎えに来るまで そうね、あと10分くらいかな」
「えぇぇ!! あと10分… わかりました 全力で組み上げます!!」





「う?ん この可愛いピンクのボディがたまりませ?ん」

組み立てを終えたパソコンを見つめながら椎子はニヤニヤしている。

「明日は朝からOSのセットアップ走らせて… いや、今から走らせるか…」

椎子がブツブツ独り言を言いながら、ディスクの群れを物色しはじめると…

「へえぇ CPUはペンシルの1.5THzか」
「うん 海外からお取り寄せしたんだよ   Vittaは評判悪いから問題外と」

椎子は手に取った三枚のうちから一枚のディスクを机の上に放り出した。

「となると、サービスパック9で安定性と信頼性を向上させたXOか、無理やりNyacOSVVにするか」
「なに言ってるのよ これからはVitta! Vittaの時代よ」

椎子が放り出したディスクを黒い手が拾い上げ、有無を言わさず彼女自慢のパソコンに挿入していた。

「ちょ、ちょっとキミ! 勝手にセットアップしな  あっ…あぁぁ…走っちゃったよ」
「重いけど、まぁ1.5Tならそこそこ動くんじゃない」
「そ、そこそこって失礼ね 最強のペンシル1.5Tよ! 放熱にも工夫してるんだからね!!」
「だってこの闇機械なら、何倍?何十倍?何百倍? ううん、何千倍の処理能力があるから」
「ナッ! そんなサイコロみたいなのが……って言うかさ、キミだれ?」

黄色い回路図模様が画かれた黒い躯で、額の黄色い眼と冷たい輝きを秘めた瞳で自分を見つめている美少女を見て、驚きもせず椎子は尋ねていた。

「私? 私はメモリ 闇機械軍団アクマシン 記の魔女メモリ」
「闇機械軍団? アクマシン? 記憶の魔女? メモリー?」
「アッ、それ間違ってるから 記憶の魔女じゃなくて記の魔女ね メモリーってのばさないでメモリね」
「名前はどうでもいいけど その小さいサイコロに、わたしの傑作パソ君が足元にも及ばないですって?」

椎子は鼻で笑いながら、メモリが手の平に乗せている立方体を指でつついた。

「フフ… どうでもいいって失礼なヤツ」
「失礼なのはあなたでしょう こんな時間に学校に忍び込んで………あれ? あなたどこかで…」
「見たことある? 当然よ…」

微笑みながら、持っていた闇機械を椎子の額に押し付けると、柔らかい物に突き刺すかのように椎子の額に指を沈め、闇機械を彼女の頭の中に埋め込んだ。

「エッ、エエぇッ! イ、イタッ…くない… あ、あれ、あれ?」

闇機械を押し付けられた額を擦り、どうもなっていないことに首を傾げる椎子。

「あれ?あれ?? サイコロどこ行った? サイコロと指が刺さったように思えたけど…」
『フフフ… プロセッサの言ったとおり あなたは役に立ちそうね…』

いつのまにかメモリの姿も消え、彼女の声だけが椎子の頭の中に響いた。

「エェェ!! 消えた?消えた!! 夢?じゃない! 声が聞こえた! 役に立つって言われた!! 役に立つ? なんの?」
「三枝…さん? 何してるの?」

訳の分からないことを叫びながら、キョロキョロしている椎子を、見回りを終えて迎えに来た真奈美が不思議そうに見つめていた。

「あっ! 真奈美先生、いま、いまッ」

【RESET】

真奈美にメモリのことを話そうとした椎子が固まったように動かなくなり、抑揚のない口調で話し出す。

「データを復元中・・・・復元完了  システムを再起動します しばらくお待ち下さい・・・・起動完了」
「三枝さん? そうしたの?」

【RESTART】

「組み立て完了っと!! 見て下さい この美しいピンクのボディ!! カワイイと思いませんか」
「えっ? ええ、そ、そうね…」

組み立てたパソコンに頬擦りをして、いつも以上に奇妙な行動をとる椎子を、真奈美は怪訝な顔で見つめていた。





「ホントにもう! みんなと一緒に帰らないとダメよ」
「わかってるけど、パソ君たちを弄りだすと止まらなくなってしまうんですよね」

真奈美は見回り当番があった日、必ずこうして椎子と一緒に夜道を歩いている。

「そうだ! 真奈美先生にお聞きしたいことがあるんですけど…」
「えっ? なに?  またヘンなこと聞かないでよ」
「ヘンなこと…かな… さっき真奈美先生、彼氏いないって言ってたでしょう」
「エッ!!  そ、それがどうかしたのか、か、かしら」
「でも 彼女とかは、いるんじゃないですか?」
「か、か、彼女って! バ、バ、バカなこと、い、言わないでよ!」
「ふふぅ?ん… そうです…か やっぱりそうきますか…」

意味深な笑みを浮かべた椎子が、カバンの中からデジカメを取り出していた。

「わたし見ちゃったんですよねぇ  真奈美先生と3年の山咲センパイが××してるところ…」
「な、なに言ってるのよ! 3年の山咲さんとわたしがそんなことするわけ… おかしなこと言わないでよ!」
「ふぅ?ん… おそろいの服を着た真奈美先生と山咲センパイ とっても綺麗でしたよぉ  でもどうしてあんな格好を?」

撮影した写真を探しながら歩いている椎子を、真奈美は横目でみつめていた。

「あったぁ!! ホラ見て下さい! これってレオタード…かな? 色はパープル…だと思うんです」

椎子がデジカメの液晶に映し出されている映像を真奈美に見せる。

「先週末の深夜、新作ソフトを買った帰りに撮ったんです」
「ちょ、ちょっと三枝さん! この写真、顔がはっきり写ってないじゃない これでどうして、わたしと山咲さんだって言うのよ!」
「フッフッフ… 確かに顔は写っていません マスクのような物を着けてる感じがするし… でも、間違いなく真奈美先生と山咲センパイです」
「三枝さん! いい加減にしないと」
「まだあるんです!」
「エッ…」

不敵な笑みを浮かべる椎子のメガネが輝いた。

「この写真を画像分析した物が家のパソに…」
「そこまでしなくても…」

街灯の明かりがとどかない薄闇を歩いているため、真奈美の顔は見えなかったが、いつもの優しい笑顔のない、冷たい瞳で椎子の横顔を見つめていた。

「でも残念なことに、元ネタが鮮明じゃないから全く判別できませんでしたw   でも、わたしには真奈美先生と山咲センパイにしか見えなくて……  この人たち、どうしてこんな格好してるのかなぁ 深夜にコスプレってのもなぁ」
「もうッ! 三枝さんが勝手に、わたしと山咲さんだと思い込んでただけじゃないの!」
「アハハハッ ごめんなさぁい それじゃ真奈美先生、今日もありがとうございました 明日からはなるべく気をつけますので?」
「ホントにそう思ってる? 毎回そう言って別れてますけど?」
「アハハハッ おやすみなさぁい」
「おやすみなさい」

椎子が少し先に見える我が家に向かって走り出すと真奈美は立ち止まり、彼女が家に入るのを確認してから、きびすを返した。





深夜
高層マンションの屋上
二つの影が眼下に見える部屋の明かりを見つめている。

「マナミ あの娘なの?」
「ええそうよ チヒロ   クス…そんな眼をしないの」

美しい黒髪を風になびかせ、チラリと自分を見やるチヒロをマナミは後ろから抱きしめた。

「結構カワイイじゃない  気になる娘なんでしょう」
「ええ とっても気になるわ  魔力を纏い、闇に同化しているわたしたちの姿があの娘には見えている」
「そんなに嬉しい?  今日のマナミ、ずっとあの娘のことばかり…」
「エッ? クスクス… チヒロ、妬いてるの?」
「そんなことない!」

チヒロの両肩をやさしく掴んだマナミはくるりとチヒロを振り向かせて唇をあわせる。

「ンふ… あの娘はそんなのじゃないわ 私が欲しいのはチヒロだけ…」
「…ホント? ホントにわたしだけ?」


1



マナミは小さく頷き…

「大好きよ チヒロ」
「わたしもマナミが好き… 大好き」

マナミの首に腕をまわして抱きついたチヒロは唇を重ね、赤紫の瞳を輝かせるとマナミの体を優しく弄りはじめた。

「マナミがキスするから… したくなってきたじゃない…」
「ダメ…チヒロ… いまは…あの娘を私たちの…あぁっ…」

頬を紅潮させてチヒロの腕を抑えたマナミが愛しい恋人の頬を優しく撫でる。

「仕事が終わってから…ね  だからいまは…」

マナミは体を密着させて、チヒロを強く抱きしめると唇を奪い、激しく舌を絡ませた。





同じ時刻
帰宅後、食事とお風呂を適当に済ませた椎子が、マイパソコンの改造を完了させていた。

「学校から借りてきた予備ペンシルへの換装完了!! さっそくスピード測定っと…   うひゃあぁ♪ Vittaの起動が速い速い速?い!! これが1.5Tの力かぁッ! これだったら学校のパソ」

ご機嫌に話をしていた椎子の言葉と動きが止まる。

「アクマシンモード起動・・・ピ…ピッピ……キュイーンー……ピロン…ポロロン…」

椎子の瞳が金色に輝き、抑揚のない言葉を並べると、全身が深緑のゼンタイスーツを着込んだように変化し、その表面に金色の回路図のような模様が描かれた。
人間の体内に埋め込まれた闇機械は精神と肉体を支配し、アクマシンの『械人』に改造する。
椎子もメモリに埋め込まれた闇機械で械人に改造されていた。

「オプション接続・・・」

異様な姿に変貌した椎子は、机の上に置いてあった銀色のデジカメを自分の顔に押し付け、デジカメを体内に取り込むと、右眼をレンズ、左眼を液晶に置き換え、頭部全体をシルバーの金属で覆った。

「ピッピ…ウォーニング デスマドーハンノウ・・・・ピッピ… サクテキカイシ・・・・・・」

椎子は電子音のような声で話、窓の外を見やると、右眼のレンズをズームさせて、マナミとチヒロが潜んでいるマンションの屋上にフォーカスを合わせた。
右眼で捉えている映像が左眼の液晶に映し出され、頭に埋め込まれた闇機械が画像を分析する。

「ピッピ… デスマドーホソク  ズームイン・・・」

マンションの壁しか映っていなかった左眼の液晶に、うしろからマナミに抱きしめられているチヒロと、彼女の耳元で囁いているマナミの姿が浮かびあがり、二人の顔だけがズームアップされた。

「ピッピ… サーチ・・・」

左眼の液晶にアイマスクを着けた二人の顔が表示され、その隣に椎子が記憶している人物の顔が次々に映し出される。

「ピッピ…ターゲット1 ヤマサキチヒロ  ピッピ…ターゲット2 オオコウチマナミ   シュウシュウデータヲソウシン・・・・・・・・・ピッピ…プロセッササマカラノ シレイヲジュシン・・・メイレイプロセスヲジュンビチュウ・・・・・・オプションユニットセットアップ・・・」

椎子が自慢の手作りパソコンや部屋中に散乱しているパソコンパーツを体内に取り込みはじめると、深緑の躯がパソコンや周辺機器のカバーを変質させた白い西洋風の鎧で覆われ、腰や背中、腕などに怪しい武器に改造されたパーツが装備された。

「ピッピ…オプションヲユウコウニスルタメ システムヲサイキドウシマス・・・・・・・・・ピッピ…サイキドウカンリョウ・・・メイレイプロセスヲジッコウ・・・」

窓から外に飛び出した椎子は、背中と足の裏に装備されたファンで宙に浮くと、二人がいるマンション屋上へ向かう最短距離を移動した。





「…マナミ…そんなにされたら… もう我慢できないよ…」
「ダメよ… んムぅ…」
「ムグぅ…」

妖艶に微笑んだマナミが激しくチヒロの唇を奪う。

「ンン… つづきは三枝椎子を仲間にしてから、ゆっくり楽しみましょね チ・ヒ・ロ」
「もう…いじわる… あとでいっぱいしてもらうから…」

向かい合い、しっかり指を絡ませて手を握り合っていた二人が、背中合わせになり魔力を高めた。

「敵… ジャスリオンじゃないわ」
「ええ 例の敵…ね  気をつけて、チヒロ」
「マナミもね」

宿敵ジャスリオンとは違う邪悪な気配を感じ取った二人。

「ピッピ…ターゲットロックオン・・・ケーブルセツゾクジュンビ・・・」
「マナミ、上!!」

頭上からの電子化された女性の声に素早く反応したチヒロが、腕の怪しげなパーツで二人を狙っている椎子に向けて魔弾を放つ。
魔弾の軌道を瞬時に計算した椎子は回避行動をとりながら、先端に四角いソケットが付いたケーブルを発射してチヒロの腹部、ヘソに命中させていた。

「ウッ…」
「チヒロ!!」
「ピッピ…ケーブルセツゾクカンリョウ・・・インストールディスクセット・・・ドライブユニットセツゾク・・・」

椎子が腰の黒いボックスにディスクを挿入し、チヒロの腹部に打ち込んだケーブルの反対側を接続するとボックスはチヒロに向かって飛んで行き、彼女の腰にグルグルとケーブルを巻きつけるとベルトのバックルのように納まった。

「ピッピ…ターゲット1 データコピーカイシ・・・」
「何よこんなもの!」
「チヒロ すぐに外してあげるわ!」
「エッ…なに…」

怪しい黒いベルトを装着されたチヒロがボックスを剥がそうとしていると、ボックスの表面に+(プラス)の文字が現れ、青紫に明滅しはじめる。
それと同時に、チヒロは頭の中に何かが流れ込んでくるような不愉快な感覚に襲われた。

「ピッピ…ターゲット2 ケーブルセツゾクジュンビ・・・」

チヒロに取り付けられたボックスを取り外そうとしているマナミに椎子が狙いをさだめる。

「外れない…  チヒロ、魔力を高めて! 破壊するわ」
「ダメッ! マナミ アイツが狙ってる  わたしのことは後でいいから」
「大丈夫? 動けるの?  私がアイツを引き付けるから、その間にここから」
「次は外さない!  何があっても私はマナミと一緒に戦うから!!」

力強く輝くチヒロの瞳と言葉がマナミの言葉を遮る。

「チヒロ…  わかった 無理しないでね」

マナミは鈍い音とともに打ち出されたケーブルをかわしながら威嚇の魔弾を放ち、チヒロは意識を集中し、魔力を最高まで高めた。





「ピッピ…ターゲット2 ケーブルセツゾクジュンビ・・・」

何度目かの攻撃をかわしたマナミは、なかなか攻撃をはじめないチヒロを見やった。

「チヒロ! どうしたのチヒロ!!」

チヒロの体全体に金色の回路図様の模様が拡がり、纏っている魔力も異質な波動を帯びていた。

「ピッピ…ターゲット2 ケーブルセツゾクジュンビ・・・」
「…ダ…メ……マナ…ミ…… …にげ…て… …わたしが… …わたし…じゃ… ウグゥッ…」
「チヒロッ!!」

様子がおかしいチヒロに駆け寄ろうとするマナミの行く手を阻み、椎子がチヒロのとなりに舞い降りると、彼女に取り付けたボックスにアクマシンシの紋様が描かれたディスクを挿入した。

「ピッピ…ターゲット1 データコピーカンリョウ・・・アクマシンスレイブシステムディスクセット・・・」
「なに…を…する……やめ…アガッ… ……マ…ナ……ィ………」

ディスクを挿入されるとすぐ、チヒロの体に描かれた回路図に光が走り、ボックスの+の文字が青紫に輝くと、チヒロの瞳に青紫が滲む。
そして全身に描かれた回路図を保護するかのように、青紫のメタル皮膜がボックスから拡がり、さらにその上から透明の樹脂膜がチヒロの全身を覆っていった。

「チヒロ チヒロ!  チヒロッ!!」
「………」

無表情になったチヒロはマナミの呼びかけに答えようともせず…

「アクマシンスレイブシステム起動… …闇機械が確認できません… …セーフモードで再起動… …機能制限中…」

感情のない口調で話すチヒロが冷たい異質な魔力を纏う。

「ピッピ…ターゲット2 ケーブルセツゾクジュンビ・・・」
「かしこまりました… デスマドー戦闘員捕獲をサポートします…」

誰かの命令に答えるかのように言葉を並べたチヒロが、鏡面のように月明かりを反射する体をマナミに向けた。

「チヒ…ロ…  …いや…そんな眼で見ないで…お願いだから… チヒロ…」

冷ややかにマナミを見つめたまま、コツコツと音をたて近づくチヒロが、歩きながら手のひらをマナミに向けると、迷うことなく魔弾を放った。

「アウッ …やめてチヒロ… おねがいだから…」

何も出来ずにいるマナミを見据え、チヒロは躊躇なく魔弾を打ち込む。
全身に魔力を纏い、チヒロの魔弾を防ごうとしたが、アクマシンで異質に変化したチヒロの魔弾を完全に防ぐことができず、肩、胸、お腹と次々に魔弾を撃ち込まれたマナミはその場に膝をついた。

「ウッ… カハッ… ゴフッ…   クッ…… や…やめて…チヒロ…」
「デスマドー戦闘員を捕獲します」

マナミは自分を捕らえようと手を伸ばすチヒロの腕を掴み、引き寄せると強く抱きしめた。

「私はチヒロが好き…大好きなの… ずっと一緒にいたい… チヒロと戦うくらいなら…私も…」
「川霧女学園教員 大河内真奈美 暗黒魔界デスマドー デスマドー少女隊を率いる中心的存在 マナミ」
「チヒロ… 私のこと…わかるの…」

マナミの手を振り払い、冷たい体を密着させて、後ろからマナミを取り押さえるチヒロ。

「ターゲットを捕獲 アクマシンスレイブドライブを装着して下さい」
「ピッピ…ターゲット2 ケーブルセツゾクジュンビ・・・」

チヒロが完全に敵の手に堕ちていることを悟ったマナミは、何も言わず、されるがままだった。

「…これでまた…一緒に戦える… でも…  もうあなたのぬくもりを感じることは…」

悲しそうに微笑むマナミの体にケーブルが撃ち込まれ、チヒロの物とは少し異なる、表面に?(マイナス)の文字が描かれた黒いボックスが取り付けられた。





漆黒の体に描かれた回路図に赤、青、黄色の光りを走らせている三つの影。
アクマシン三幹部、知の魔女プロセッサ、記の魔女メモリ、動の魔女ドライブが並んで立っている。
そしてその後ろの闇で、二つの黄色い眼が開いた。

「デスマドーの戦闘員をアクマシンの支配下においたようですね わが娘たちよ」
「はい マザー  デスマドーの亡霊とアクマシンの技術を融合させた闇携帯端末『ERO?G』が選び出した二人の戦闘員を」
「アクマシンの忠実なシモベに改造し、二人に、自分たちが指揮していた戦闘員たちを」
「闇機械軍団アクマシンの戦闘員に改造する手伝いをさせてあげました」

三人はボードマザーに作戦完了の報告を行い頭を下げる。

「お前たち、マザーに自己紹介なさい」

プロセッサの命令に従い、青紫に輝いている体で跪いていた集団が顔を上げ、青紫に染まった瞳を頭上の黄色い眼に向ける。
彼女たちは装着された黒いボックスに描かれている+と?それぞれに分かれ、マナミとチヒロを先頭にピラミッド状に整列していた。

「マナミRe(アールイー)」

立ち上がり敬礼の姿勢で答えるマナミ。
続いてチヒロたちも同じ姿勢で応える。

「チヒロRe」
「アサミRe」
―――
―――
―――
「ミノリRe」
「「「「 アクマシン少女隊 闇機械軍団アクマシンに永遠の忠誠を誓います 」」」」


2



アクマシンのシモベと化した少女たちは、最後の一人が挨拶を終わらせると声を揃えて宣誓の言葉を唱えた。

「マザー このようにアクマシン少女隊は、アクマシンスレイブシステムと魔動力コンバータを内蔵した外付け闇機械で制御、完全にわれらの支配下にあります」

少女隊全員の体にはウエストの黒いボックスの他に、手にガントレット様のユニットが装着されており、マナミとチヒロだけはヘッドセットが取り付けられていた。

「わが娘プロセッサ その二人、他にはない装備が装着されているのはなぜですか」
「はい マザー  この二人、いまはスレイブシステムと闇機械、そしてこのシールドリングで完全に支配管理しています ですが、システムのバージョンアップとシールドリングを装備するまでは、不可思議な力でお互いを惹きつけ合い、自我を取り戻すことがたびたびあり、二人が自我を取り戻すと他の少女隊も自我を取り戻すという興味深い反応を見せていました」
「闇機械の絶対支配力から逃れることなど、あり得ない事です」
「ホントです マザー  プロセッサの言ってることは」
「わかっています わが娘メモリ  その力、魔動力の秘密を知る手掛かりになるかもしれません」
「はい マザー マナミReとチヒロReに装備したシールドリングで二人を監視しています」
「よろしい  その二人については、プロセッサ、おまえにすべて任せます」
「はい かしこまりました マザー」









「おっはよー!!」
「「エッ!!」」
「ん? んん?」
「ど、どうしたの…純玲ちゃん…」
「なにが?  千尋、風邪は大丈夫? 頑丈な千尋が一週間も休むから心配したよ」
「なにがって… だって純玲ちゃんが…」
「頑丈って… 人を何だと思ってる!  わたしはスミスミが予鈴の前に、教室にいるってことが心配だッ!」
「うん… わたしも心配… 何か良くない事が…」
「な、なんてこと… 綾がそんなこと言うなんて…  コイツか! コイツが綾を悪の道に!! 許さんぞぉ●ョ●ー!!」

千尋に向かってファイティングポーズを決める純玲。

「誰が悪だ! 誰が●ョ●ーだ!  スミスミ、また昭和の特撮モノに嵌ったな」
「そう! そうなの!! あの主役の渋クサイ芝居は癖になるよぉ」
「純玲ちゃん…千尋ちゃん…先生だよ」
「ハーイ とっくに本鈴鳴ってますよ! みんな席に…… うそッ なんで?」

呆然と純玲を見つめる真奈美。

「ん?」

じっと自分を見つめる真奈美を見つめ返して、純玲は小首を傾げた。

「ん? んん? んーん?  あっ 真奈美先生も風邪治ったんだ」
「う、うん  もう大丈夫だけど… それより   い、雷さん ど、どうしたの…」
「どうしたの?って…」

教室の掛け時計と腕時計を何度も確認する真奈美の仕草に純玲もようやく気づき。

「ま…まさか…真奈美先生まで…   ひどぉいよぉ…」

教室が笑い声で溢れる。
だがそれはアクマシンの械人にされた下級生と戦ったばかりの純玲には辛すぎる光景だった。

そして…

笑いの中心で無理して明るく振舞ってみせている純玲を、冷たく見つめる真奈美と千尋。
その二人を妖しく微笑み見る綾。

純玲は周囲が大きく動き始めていることに、まだ気づいていなかった。










 【 次週予告 】

綾です、最近周囲が騒がしいの
どこかでわたしを見張っている眼があるような気がするんです。
この際、ダークウイッチの力で邪魔者は…
あ、それはしちゃいけないんだったですね、あはっ。
うーん、ユリさんわたし一人じゃ心細いよ。

では、次回第11話「暗黒の日」に
リードダークマジック!!




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11月最初の創作料理は!!


ずっと嵌まりっぱなしのあの作品を創作しました。
勿論!「魔法機動ジャスリオン」です!!

相互リンクして頂いております『舞方雅人の趣味の世界』様で
管理人の舞方様が執筆されたジャスリオン二次創作に触発されて
抑えきれずにやっちゃいましたw
『舞方雅人の趣味の世界』様でも公開して頂けることになっているのですが
『x only』では一足お先にお召し上がり頂こうとならべさせて頂きました。

それでは
魔法機動ジャスリオン
  第三話『綾が失踪? 卑劣なエロジーム!』
どうぞご賞味下さいませ。




第三話『綾が失踪? 卑劣なエロジーム!』


「やっほ!! 海だぁ!! 海と言えば海の家? やきそば食べ行くぞぉ!!」
「千尋ったら、着いたばかりなのにもう食べるの?
  やきそばか… でもその言葉を聞くと食べたくなってきたような…」

雷純玲(いかずち すみれ)と山咲千尋(やまさき ちひろ)は一足先に浜辺に出ていた。
そしてなぜか、腰に手をやり海に向かって話をしている奇妙な2人。

「でも、軽く小腹を空かせてから食べるやきそば、いいと思わない?」
「おっ! スミスミいいこと言うねェ? んじゃ、かる?く」
「コラァ?少女たち! 海に入る前には準備体操するんだぞ」

惚れ惚れするような美乳、羨ましいほどくびれたウエスト
キュッと締まったヒップの持ち主が、その抜群のスタイルを自慢するかのような
黒のビキニで2人と海の間に割り込み、意味無く髪をかきあげセクシーなポーズを決めている。

「ま、真奈美先生… その体にビキニ…ですか……
  それにポーズまで… 引率だから目立たないようにするって言ってたのに…」
「ホントあんまりですよ、真奈美先生? 視線を独占するなんて…許せません!!」

千尋が真奈美の横に並び、同じように黒髪をかきあげて
唯一真奈美に対抗できるであろう胸を強調したポーズを決めていた。

「ちょっと、先生はやめてよ 今日はお友達ってことで真奈美さんでどう?」

純玲、綾、千尋、そして3人の担任教師である
大河内真奈美(おおこうち まなみ)は夏の海に来ていた。
なぜ担任の真奈美が3人と一緒に海に来ているのか?
それは綾と真奈美が従姉妹で、一人暮らしの真奈美は週末になると
叔母である綾の母親の手料理を食べに綾の家を訪れていた。
そのとき3人が海水浴に行くことを耳にした真奈美は
引率とかこつけて無理やり同行して来たのだった。

「ち、千尋まで…
  もう! 2人ともやめてよォ、注目のマトになってるって!!
   …あれ? そう言えば、真奈美先生 綾は一緒じゃないんですか?」
「えっ? 綾なら純玲ちゃんの後ろに居るじゃない」

音も無く純玲の背後に現れた綾は
もじもじと周囲の目を気にしながらTシャツに短パン姿で立っていた。

「あれ? アヤアヤどうして水着じゃないの? もしかして、水着忘れた?」

千尋の質問に綾は紅くなり小さく首を振る。

「ま、まさか、綾 恥ずかしいの?」

純玲の言葉に綾は小さく頷いた。

「ハハッ アヤアヤ みんな水着なんだから、恥ずかしくないって」
「そうよ わたしほどじゃないけど、綾もスタイルいいんだし」
「真奈美先生… それ、説得になってないと思いますけど…
  でも、綾が脱げないって言うなら仕方ないよね…」

目配せした3人の目が怪しい輝きを見せる。

「山咲さん、雷さん 巻雲さんが着ている邪魔な物をひっぺがしなさい!!」
「ハイ! 先生!!」
「エッ!? 止めて…止めてったら…」

綾の抵抗空しく、Tシャツと短パンが千尋と純玲によって奪い取られた。
そして露になった綾の姿に3人は凍りつく。

「こ、これ……ちょっと危ないよね…」
「アヤアヤ…そ、それは……ス…ス…スク…」
「あ、綾、その水着は危険すぎるわ
  どうしてわたしが買ってきてあげた水着を着ないのよ!」
「だ、だって、真奈ちゃんがくれた水着……恥ずかしくて…」

綾の視線は真奈美の黒いビキニに向けられていた。

「ま、まさか、これと同じ黒のビキニ?」

綾の目線の先を見やった純玲が恐る恐る言葉を口にすると
目線を逸らした綾は小さく頷いた。

「い、いや、アヤアヤ… 確かに真奈美さんのビキニ、羨ましいくらい凄いけど
  その水着の方が、ある意味… それに真奈美さん以上に視線を独占してるし…」

通り過ぎる子連れの父親、カップルの彼氏などがチラチラと横目で綾を見やり
それに気付いたパートナーと言い争う声が多くなり始めていた。

「確かに…スク水はダメね 代わりの水着を何とかしないと…」

考えを巡らせる真奈美の視線が剥ぎ取ったシャツを綾に着せている千尋で止まった。

「千尋ちゃん スタイルいいよね  きっと黒のビキニが似合うと思うなぁ」

真奈美の邪悪な言葉が千尋の心を手繰り寄せる。

「エッ! そうですかw」
「その綺麗な黒髪に白い肌 貴女にピンクの花柄は似合わない」

真奈美は千尋に近づき、耳元で悪魔のように囁く。

「3人の中で、わたしのパートナーを任せられるのは千尋ちゃんだけ…
  どう? 一緒に素敵な出会いをゲットしてみない?」

日ごろから彼氏が欲しいとぶっちゃいている千尋には効果的な一言だった。

「で、出会い…とは……か、彼氏が…………………
  ア、アヤアヤさ、持ってきた黒のビキニ、わたしに貸してくれないかナ
   で、スク水やめて、わたしの水着に着替えた方がよくなぁい?」

悪魔に魅入られた千尋が虚ろな眼で綾に言い寄る。

「うんうん それがいいわ 綾、千尋ちゃんの水着を貸して貰いなさい
  スク水を学校以外で着用するのは危険すぎる行為だから」
「う、うん… 千尋ちゃんがいいなら…」
「もちろん問題ないですよォ!」
「ひ、ひどい…ひどすぎるよ……この人…悪魔だ…
  背中に黒い羽根が…お尻に尖った尻尾が見える……」
「ん? 純玲ちゃん 何か言った?」

自分を見やり微笑む真奈美に恐怖を覚えた純玲は無意識に半歩退いていた。

「い、いえ、何も… いい考えだと…思います…」


そんな4人のやりとりを見つめる目があった。

「ヒヒッ… ヒィヒッヒッヒッヒッ… あの4人、手ごろじゃわい」

岬の崖の上に立っている廃墟としか思えない洋館。
その一室から白衣を着た老人が無機質な黒い筒を通して浜辺の4人を眺め見ていた。


「アヤアヤ サイズどう?」
「う、うん 大丈夫みたい… 千尋ちゃん先に行ってて」
「わかった ドリンクはホントに冷やしあめでいいの? 注文しとくよ」
「うん ありがとう」

黒いビキニに着替えを終えた千尋が更衣室を去り
しばらくすると綾が個室から出て来た。

「千尋ちゃんの水着でも……恥ずかしいな…」

大人しい感じのワンピースだったが足回りのカットは深く、綾には十分抵抗があった。

「やっぱりさっきの水着で…  キャッ!」

個室に戻ってスク水に着替えようとした綾は
白いパーカーにサングラスを掛けた女性とぶつかり、尻餅をついて転んだ。

「あっ すみません…わたしがよそ見してたから…」
「クス… わたしは大丈夫よ それより貴女の方が怪我しなかった?」
「…………は、はい 大丈夫ですっ」

心に響く美しい声。
なぜか綾は、直ぐに返事を返せなかった。

「あら?」
「えっ? なん…ですか…」

女性はサングラスをとり、じっと綾の瞳を覗き込んだ。

「これの所為かしら 貴女の瞳に受難が見える」
「エェ… 受難?」
「何かよくない事が起こる? 起きた?
  どっちにしても気をつけたほうがいいかも…
   あっ、ゴメンなさい 初対面でいきなりなりこんな事を」
「い、いえ、あのぉ…占いか何かを…」
「ちょっと趣味程度に…ね  貴女、占いに興味あるの?」
「はい!」
「だったら今度、わたしのお店に寄ってみて
  お友達になれた貴女… クスッ…お名前聞いてもいいかしら?」
「えっ、お友達?  は、はい 綾です 巻雲綾です」
「綾ちゃんか… わたしはユリよ お店に来てくれたら、ただで何でも占ってあげる」

床に座ったままの綾は手を差し伸べてくれたユリの手を掴んで立ち上がる。

「綺麗なブレスレットですね」

ユリの手首で優しく輝いている水晶の珠で出来たブレスレットのことを綾は何気なしに口にした。

「あぁこれ? これは… あ、そうだ このお守りを持っているといいわ」
「そ、そんな、ダメですよ」
「気にしなくていいわよ 今度お店に来たときに、返してくれたらいいから」

ユリは一方の手からブレスレットを外すと、綾の手首に嵌めた。

「綺麗… ホントにお借りしていいんですか?」
「クスクス… どうしてかなぁ、綾ちゃんといると楽しい気分になれるのよ
  だから、気にしないで持ってて」

優しく微笑みかけるユリに綾も不思議な安心感を抱いた。

「はい それじゃ 少しの間、お借りします ユリさん」
「どうぞどうぞ それとこれ、わたしのお店の住所と電話番号、携帯のメアドね」
「あぁ、ここなら学校の帰りに寄れます  あとでわたしの携帯からメール送ります」
「ありがとう、それじゃ綾ちゃん 気をつけてね」
「はい ユリさんもお気をつけて」

手を振ってユリを見送った綾は
ユリから借りたブレスレットを光にかざして眺め見ていた。

「綺麗な水晶… 通り抜けてくる光…なんだか温かくて気持ちが安らいでくる」

しばらくじっと、光を眺め見て佇んでいた綾の耳に、怪しく不気味な笑い声が聞こえてきた。

「ヒィヒッヒッヒッヒッ…」
「エッ?」
「ヒィヒッヒッヒッヒッ… ワシの館に招待してやろうかの」
「エェ…だ、だれ…ですか……   キャアァァ!」

キョロキョロと周りを見渡していると足元が紅く輝き
丸い魔方陣が描かれて、綾の体はその中に吸い込まれてしまった。




「うぅん…」
「ヒィヒッヒ… 目が覚めたようじゃな」
「キャアッ!」

自分の体を撫で回している白衣を着た老博士に驚きの声を上げた。

「や、やめて下さい… お、お爺さんはどちら様ですか… わたしをどうしようと…」

薄い翠に輝いている方陣の上に寝かされている綾は水着を脱がされ
大の字にされた状態で宙に浮かんでいる。

「ヒィヒッヒ… この綺麗な体でワシを悦ばせてくれんかのぉ」
「ヒッ!! や、やめて下さい…そんなところ…イヤッ…」

体を動かして抗おうとするが、綾の体はピクリとも動かず
目を瞑り、顔をそむける程度のことしか出来なかった。

「ヒィヒ…ヒィヒッヒ… まだ汚れを知らぬ いい匂いじゃ」
「イッ…やめ、やめて…」

自分の唾液で濡らした指を綾の秘唇に挿入するとイヤらしい笑いを浮かべた。

「イャッ……や…やめて……」
「中もいい感じじゃ…
  いずれはここに、ワシのモノを挿れてやるからの ヒィヒ…ヒィヒッヒ…」
「わた…わたしを…どうする…おつもりですか…」

恐怖で目を開くことも出来ない綾の目から涙が零れ落ちる。

「ヒヒッ…ヒィィヒィヒィ…
  お前はこれからワシを悦ばせる玩具になるんじゃ
   暗黒魔界デスマドーにこの人ありと謳われたエロジーム博士の玩具にじゃ
    ヒヒ…ヒィィヒッヒ…」

笑いながらエロジームが方陣の外に移動する。

「か…帰して下さい… わたしを友達のところに帰して下さい」
「ヒィィヒッヒ… もちろん帰してやるとも
  ワシの言うことなら何でも聞く玩具にしてからじゃがな」
「イヤッ… なりません…
  お爺さんの言うことを聞く… 玩具になったりしません…イヤです!」
「ヒヒッ… 魔法手術が終わったあとで、同じことが言えるかの ヒィィヒッヒ…」

聞き取れない言葉を唱えだしたエロジームの手が黒く輝き
綾の下の方陣も黒く輝きだした。

「ヒグゥッ!」

ビクンと体を痙攣させた綾が大きく目を見開く。

「ヒッヒッヒッ… お前の心を暗い闇の底に堕とし、魔に従う悦びを教えてやるわい」
「ハァア……アッ…アァァ……」





「ヒッヒッヒッ… これくらいで十分じゃろうて」

何人もの女を同じように堕として来たエロジームが余裕の笑みを浮かべ綾に近づく。

「娘、お前の名は何という」
「ィャ……お爺さんの………なったり…しません…」
「な、なんじゃと!! 此奴まだ堕ちておらんのか!
  人間を魔に従わせるには十分すぎる魔力を送り…
   ヒッ…ヒヒッヒィィヒッ…そうか、そうじゃったか」

天井の一点を見つめたまま涙を流している
綾の瞳を覗き込んだエロジームの顔が好色と歓喜に歪む。

「ヒヒ…ヒィィッヒッヒッ… これは面白い物を手に入れたかもしれんわい
  水晶のように澄んだ瞳… もしや水晶眼  試してみる価値はありそうじゃな」

方陣の外に出たエロジームの顔から笑顔が消え、声に出さず呪文を唱える。
すると方陣にかざした手が赤紫色に輝き、方陣も同じ色に染まる。

「ハヒィ…ヒャアァァァ……アッ…アァァァァァァ…」

背中を反らせ、見開かれた綾の瞳が方陣と同じ赤紫に染まる。

「ヒヒッ…ヒッヒッヒィッ…やはりそうじゃったか
  水晶眼、魔力に適応する能力を備え持つと言う話じゃが
   ヒヒッ…これは面白い玩具になりそうじゃわい」

エロジームが魔力を高め、呪文を唱える。

「ヒャィィィィィ……」

綾の下腹部に赤紫色の魔方陣が浮かびあがると
そこから複雑な文字や模様が全身に拡がってゆく。

「ヒッ…ヒッヒッヒィッ…
  全身に支配印紋が刻まれれば、手術は完了じゃ
   お前はワシの忠実なシモベに生まれ変わるわい……ムゥゥ…」

額に汗を滲ませ、エロジームは更に魔力を高める。

「ハァァァァァァァァァ…」

眉をしかめている綾の全身は赤紫色の印紋で埋め尽くされ
四肢の爪までもが、赤紫のマニキュアを塗ったように染まる。

「ヒッ…ヒ……ヒ… そろそろ仕上げの印紋じゃな
  これで…お前は……お前はワシのシモベじゃて…」

魔力を消耗したエロジームはフラフラしながら綾に近づき
人差し指に集中させた赤紫の輝きで、息を荒げ、苦悶の表情を浮かべている
綾の瞼と唇に仕上げの印紋を施した。
すると綾の全身に浮かび上がっていた支配印紋は薄れてなくなり
仕上げに施された印紋だけが、アイシャドーとルージューをひいたように残っていた。

「ヒヒッ…… 完成じゃ…絶対服従のシモベの完成じゃ…
  ヒッ…ただの人形ではないぞ… 意志を持った人形じゃぞ!」

力尽きたようにその場に座り込んだエロジームが宙に浮いたままの綾を見上げる。

「いつまで寝ておるのじゃ! はやくワシを助け起こさんか!!」

エロジームの喝に綾の体がピクリと反応し、体が垂直に起き上がるとゆっくりと床に着地した。
そしてエロジームの傍らに歩みよるとしおらしく両膝をついて、エロジームを膝の上に座らせた。

「申し訳ございません…エロジームさま…… 頂いた魔力…少しお返し致します…」

濡れた赤紫色の唇をエロジームの唇に重ね、自ら舌を絡ませた。

「ンフゥ…如何ですか…エロジームさま…」

陶酔し潤んだ瞳は赤紫色に輝いていた。




「ウホォォ…いい具合じゃ……出すぞ…全部飲み干すのじゃ」
「ふぁい…えりょじぃぃむしゃまぁ…」

綾はベッドの上で大の字で寝転んでいる老人の傍らに跪き
老人の股間のモノを口に咥え、激しく口を窄めていた。

「ヌホォォ……ンホォ…」
「ン!…ンン…ジュル…ングゥ…」
「ヒッヒッ…舌の使い方が上手くなったわい もう一度…いや、今度は胸じゃ、胸を使え」
「お褒めの言葉ありがとうございます エロジームさま」

口のまわりに付いた白濁を舌で舐め取りながらエロジームを起こし
ベッドに腰掛けさせると、老人のモノとは思えない代物を白い乳房で挟み込み
ゆっくりと上下に動かしはじめた。

「ニヒィ…ヌホホホッ… これはいい…柔らくていい具合じゃわい」
「エロジームさまに悦んで頂けて光栄です」

綾は嬉しそうに微笑むと精一杯、奉仕を続ける。

「ヌホォゥ…そういえば…まだ…お前の名前を…聞いておらなんだ…」

「ン…ンンフン……綾です…巻雲綾でございます…ハグゥ」
「ウホォゥ……アヤか…」

綾はエロジームの股間のモノを口に咥え舌先で刺激する。

「ムヒョゥ……ヌホォォ…ンホォ…ンホォ…」
「ン!…ケホッ…ケホケホッ…… も、申し訳ございません…エロジームさま…」

前触れも無く喉の奥に白濁を放たれた綾は、咽て全てを吐き出した。

「ヒッヒッヒッ…今回だけは許してやるわい」
「はい…ありがとうございます…エロジームさま…」
「お前の奉仕のお陰で魔力もずいぶん回復したわい」

綾は床に降り立ったエロジームに衣服を着せると両膝をついたまま
しおらしく俯き、眼を伏せてエロジームの命令を待っていた。

「水晶眼 玩具だけにしておくにはちと…」

考えを巡らせながらも胸やお尻を弄ってくるエロジームに綾は笑顔で答える。

「そうじゃ! お前ならばワシの傑作を使いこなせるじゃろう」

エロジームが資料に埋もれた机の中から
暗黒魔界デスマドーの紋様を模ったブローチを取り上げた。

「いつかはと考えておった魔法戦士の試作品じゃ」

綾は両手でブローチを受け取るとエロジームを見やった。

「ヒッヒッ… ブローチを胸に近づけて魔力を注ぎ込むのじゃ」
「はい ブローチを胸に近づけて…魔力を…」

綾の瞳が赤紫色に輝き、全身に魔力を纏うと
ブローチは白とピンクの輝きを放ち、綾の体を輝きで包み込む。
そして弱まった輝きの中から現れた綾の姿は
暗黒魔界という言葉とは不釣合いなコスチュームを纏っていた。
ピンクのハイレグレオタードとアームカバーに
白とピンクの2枚重ねのレーススカート。
腰にはピンクの大きなリボンが羽根のようについており
膝から下が白いブーツで覆われている。
だがその愛らしい姿の綾が暗黒魔界デスマドーの戦士であることは
胸のリボンの真ん中で禍々しいオーラを放っているデスマドーの紋様が証明していた。

「魔法戦士ダークウィッチアヤ ここに降臨!」

変身するまでは少し垂れ気味だった綾の目尻がつり上がり
キリっとしてクールな感じに変わった。
ダークウィッチアヤとなった綾の顔は
エロジームやデスマドーの者たちには巻雲綾として映っていたが
他の者が見れば、全く別人の顔に映り
ダークウィッチアヤが巻雲綾だと気付かれることはなかった。





「どこの家にも、アヤアヤいなかったけど」
「おっかしいなぁ どこ行ったんだろう 綾」

注文したドリンクを飲み干した3人が
30分経っても姿を見せない綾を探しはじめて2時間が経過していた。

「これは本格的に捜索して貰わないとダメかなぁ…」

学校や周囲にバレると不味いことが多い真奈美の顔が一気に憂鬱になる。

「マズいよなぁ…従姉妹とは言え、毎週生徒の家にご飯食べに行ってる事がばれたら…
  マズいよなぁ…一部の生徒と親密な関係になって、海に遊びに来てるのバレたら…
   マズいよなぁ…」
「ま、真奈美先生 もうちょっとだけ、わたしたちで探してみましょうよ!」
「そ、そうですよ、ああ見えてもアヤアヤしっかりして… あれ、アヤアヤだ」

フラフラと浜辺の人込みに揉まれながら歩いて来る綾を見つけた千尋が指を差す。

「どこ行ってたのよ、綾! 心配してたのよ!」
「ホントだよ、綾どこ行ってたの?」
「うん 水着着替えて出て来たら、困ってるお爺さんが居たの
  それでお家まで送り届けてあげたら お茶と食事をご馳走してくれて…
   連絡しようと思ったけど…携帯は荷物の中だったし…ゴメン…なさい…」
「そうなんだ、綾らしいね」
「どこまで行ってたの?  随分疲れてるみたいだけど」
「あの岬の洋館まで…」
「うわぁ あんなところまで… アヤアヤ歩いて往復したの?」
「うん そう…だけど」
「とりあえず綾も無事だったんだし、もういいじゃない ねっ真奈美先生」
「ホント、何もなくてよかったぁ…」
「で、アヤアヤどうする?」
「えっ? なにが?」
「ご飯! ご飯だよぉ!!  わたしたちはまだ食べてないからさぁ」
「あっ、ごめん…なさい… わたしだけご馳走になってきて…」
「気にしなくていいから、綾はわたしたちが食べてる間、休んでなよ」
「そうね、ご飯食べたらみんな… わたしと千尋ちゃんはちょっとだけ、浜辺を散歩するわ」
「……じゃあさ 綾とわたしはちょっとだけ海に入ろうよ」
「う、うん… いいよ、純玲ちゃん」

普段と変わらない綾。
千尋、真奈美は当然のこと、暗黒魔界デスマドーと戦っている純玲でさえ
綾の身に起きた異変に気付くことはなかった。




そして…

「待てッ逃がさない!! リード、マジックワード『ソニックブーム!!』」
「フフ…  ウィッチマジック『デスエアーウォール!!』」

ジャスリオンブレードから放たれる空気の刃で
逃げるモンスターを仕留めようとしたジャスリオンだったが
見えない空気の壁で囲まれ、放たれたソニックブームも無力化された。

「エッ!? 防御魔法!!  まさかオルダー… でも今の声は」

ジャスリオンのヘルメットに別のデスマドー反応が表示され、距離と方角が示されると
その方向を見やったジャスリオンはビルの屋上で月を背にして立っている人影を見た。

「やっぱり… あれはオルダーじゃない、新しいデスマドー!!」
「フフフフ…」

人影はフワリとジャンプするとビルの影に溶け込み姿を消した。

「待て!! 逃げるなァ!!」

だが全てのデスマドー反応が消え、夜の町は静けさを取り戻した。

「新しいモンスター? 違う、人みたいだった…魔法を使ってた…
  オルダーとは違う強い魔力を感じた いったい何者なんだろう…」





<< 次週予告 >>

「綾です、皆さんわたしどうなってしまうのでしょう?
わたし、純玲ちゃんといつまでも仲良くして居たいのに

それにこのままあのエロじじ…コホン、おじいさんのおもちゃになっちゃうなんて
次回 第四話『ダークウィッチ? 忍び寄る黒い影!』

来週もこのチャンネルで リードジャスリオン!

                  ふふふっ、ジャスリオンは私が倒すわっ!」



※Enne様 次週予告ご協力ありがとうございました。
 心よりお礼申し上げます。






海マツリもうご覧いただけましたでしょうか?
xsylphyxも創作を投稿させて頂いておりますので
まだの方は是非とも足をお運び下さいませ。
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いや? 嵌っちゃいました



相互リンクして頂いております『舞方雅人の趣味の世界』様で
10月12日に発表された【新番組「魔法機動ジャスリオン」】心を動かされましたw
創作中の料理をそっちのけで作っちゃいました。

完成した創作を企画書を作成された舞方さん、Enneさんに見て頂き、
色々アドバイスを頂いて本完成した創作でございます。
舞方さん、Enneさん、お力添えありがとうございました。
そして企画書をお貸し下さりありがとうございました。

どうして第8話なのかは私も分かりませんが
魔法機動ジャスリオン 第八話『私がモンスターに? エロジームの最後!』
ご賞味下さいませ。

http://mchiroin.web.fc2.com/20060606/i/page01etc07.html

海マツリはもう見て頂けましたでしょうか?
新しいSSが最高ですよ?
xsylphyxも創作を投稿させて頂いておりますので
まだの方は是非とも足をお運び下さいませ。
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