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シビレましたぁ…同化されましたぁ…第2夜



ハッカーピンクとなった飛鳥が和希の前に…
ってわたしが話をしても、だぁ?れも聞いてくれないでしょうから
すぐにお料理をお出しします。

サワキ様作『 Hacker 2 』 弟2夜です
どうぞごゆっくり召し上がり下さい。





Hacker 2


<シンクロレッド、シンクロブルーはまもなくこの場所を脱出する>
 ピンクのマスクのバイザーに『目』が現れた。それは金色をした瞳だった。それは、飛鳥の目ではな
かった。一つ目のそれは、そこに映写されたフィルムのように見えた。
「おまえは……」
<レッドが、また幸運にもハッカー獣の額にある制御システムを破壊し、装甲車の砲に装填された砲弾
が破裂する……あまりの爆発にお前らが分析の為に欲するハッカーパーツどころか、ネジ一本まともに
回収はできないだろうがな……>
 空気が震えた。地震にも似ていた。背後に立ち上る炎の柱とキノコ型に膨らむ黒煙の様がその空気の
流れだけで解った。ミシミシとあたりが不気味に振動すると、あたりの建物にはめられたガラスという
ガラスが音を立ててはずれ、地面に向けて落下した。
 その破片はシンクロイエローとピンクの間にも降り注いだ。シンクロスーツをまとっていたから、そ
んなものでダメージはない。和希は左手を右腕から離した。目が、一層光を放っているように見える。

「全ては、筋書き通りってことかしら? 飛鳥が戦いのあと帰りたがったのは、今日、中間テストがあ
ったからではなくて、メディカルチェックを回避するための言い訳ってことになるわよね……?」
<ご明答…頭脳明晰なシンクロナイツのリーダーは話が早い…この小娘など、騒ぐだけで会話にすらな
らなかったというのに…>
「あなたは誰? 飛鳥をどうしたの?」
 金色の目は、瞬きすらしなかった。
<ハハハハッ…私はハッカーキング、ハッカーを統べるもの。結城飛鳥は私の部品となったのだよ。部
品だ…シンクロイエロー?>
「何を考えているの?」和希は己を律した。飛鳥を奪った恐ろしい敵だ。ここで、感情に逸り勝負を挑
んでも、勝ち目はない。
<何を…か…私にそんなことを聞いたものは初めてだよ…ハハハッ…>
「誤魔化さないで、質問ぐらい答えたら? 飛鳥を取って、私たちの機密情報ぐらい手に入れたでしょ
う? 基地でも、なんでもさっさとハッキングしてしまえば……」
 痛みはいつのまにか消えていた。燃え立つような感情の高ぶりを、和希は感じた。これまでになかっ
た感覚だった。シンクロナイツのリーダーとして、このような事態を考えていなかったわけではない。

<無用な殺傷は好まん…貴様ら人類を滅ぼす等、私の手を持ってすれば容易いこと……滅ぼさず、利用
する…これぞ、高位にある生命体の為せる業よ……>
 金色の目は、燃えるような眼光のまま、徐々に銀色へと変容していく。
「あなたの言ってることって、結局侵略者の論理じゃない?」
<貴様と、歴史について論議をするつもりはない。一先ずは、シンクロイエロー、平井和希……このシ
ンクロナイツ最大の危機に為さなければならないことは解っておるだろう…>
 言いながら、そのバイザーの瞳は徐々に薄くなり始めていた。そして、ピンクはゆっくりと戦闘体勢
に構えなおし始める。
<あとは任せたぞ、ハッカーピンク>
「仰せのままに……」
 和希は飛鳥の声に我にかえる。無意識のまま、和希は左手にソードを構えていた。ハッカーキングが
言ったのはつまり、ピンクを――結城飛鳥を殺さなければ、この汚染はシンクロナイツ全員に広まると
いうことだ。
「どっちも助ける、なんてことができればいいけど……」
 そんなことができるのは、ドラマの世界だけだということを和希も知っている。目の前にいる結城飛
鳥は、敵となったが、大切な仲間でもある。前の平井和希なら、それでも殺めることはできた。だけど
、シンクロナイツとして死線を越え、面倒を見てきたこの年下の女性を…和希は首を振る。殺めること
など出来はしなかった。
「わたしからいくわよ!!」
 まっすぐ突っ込んでくる飛鳥を、上方へ跳躍をして回避する。発射された銃弾の弾道を読んで避ける
。実力の差は歴然としている。だからこそ、避け続けることは簡単――だけど、それでは何の解決にも
ならない。
「とう!」
 銃をソードに構えなおしたピンクが飛び出すと、ビルを左右に足場としながら、距離を詰めてきた。
落下地点から数歩引く。前へ出る飛鳥が振り下ろしたソードが青白い光を放っている。鋭い音。ソード
とソードがぶつかり火花を散らす。左へ避け、背後に立つ。跳躍して、一気に距離を引き離す。
「こうなったら…それしかない…」
 ソードを仕舞い、ホルスターから銃を抜いた。催涙弾を選択する。一瞬、迷った。眠らせても、シン
クロベースに連れて行くのは…
「アッ!?」
 手元で爆発が起こった。銃が銃身からソフトクリームのような形に変形してしまっている。軽い痺れ
が手に広がっている。顔を上げると、飛鳥が銃をこちらに構えて、その銃口から白煙があがっていた。

「させないわよ……」
「しまった!」
 焦り、いつも感じる焦りよりもっと本能的なものだった。飛鳥をいかなる形でも攻撃したくなかった

「ほーら、どこみてんのよ!!」
「あああっ!?」
 目の前からかき消すように消えた飛鳥の影が、背後に現れて腕をとった。前へ突き動かされ、壁に身
体が当たり、埃が舞った。
「あ、あなた…っ……」
 止んだ腕の痛みがぶり返し、マスクの中で頭をしたたかに打ち付けた。負傷で判断力が鈍ったのか、
飛鳥を攻撃できない気の迷いか、飛鳥の力が増してるか、一瞬光が差すと、再びシンクロイエローの身
体が壁へとぶち当たり、そこに亀裂をつくった。
「あくぅっ…」
 口の中に血のニオイがする。どこか切った。首を動かすと、飛鳥の腕が見えた。基盤のような模様、
ハッカーの手に落ちたシンクロスーツ……
「リーダー、それで終わりですかあ?」
「飛鳥、やめなさい……」
 無駄だとわかっている言葉を口にするしかない。身体を打ちつけ、痺れを感じた。離れようともがく
腕は蛇のようにまとわりついていた。
「リーダー、『戦場はあなたが若いかどうかなんて考えない』とかなんとか、訓練でいっちゃって、わ
たしのこと散々痛めつけたのに、痛めつけられちゃってますね?」
 身体が、密着して壁に押し付けられていた。後ろにキングがハッカーピンクと呼んだ飛鳥の身体があ
り、冷気を感じさせた。
「それは、あなたの為に……」
「わたしの為でも、リーダーの為でも、どっちでもいいんですがー」
 言葉が止む。和希は振り返って、そのマスクを見つめた。。
「これをリーダーにあげれば、私はキング様から授かった命令を達成するので、なんでもいいんですけ
どね」
 飛鳥のグローブが手にしているのは、羊羹のような黒い物体だった。それを彼女は見せ付けるように
示していた。
「パーツね……?」
「うーん、ちょっと違いますけど、まあそんなところですね。じゃあちょっと、息を吸ってもらえます
か? ちょっと苦しいと思うので……」
「や、やめなさい!?」
 飛鳥の身体よりもそれはずっと冷たかった。脊髄のあるあたりに当てられた黒い物体が痺れた感じを
ずっと強くさせて、脳へ向って電撃が入ってきた。身体の力が抜ける感覚に、和希は瞼が厚くなり、そ
れが涙だということに気づくまでやや時間がかかった。
 いつのまにか、飛鳥の手が和希の胸にあてられている。その手は揉むわけでも、守るわけでもなく、
そこにある。飛鳥の反対の手は負傷した傷口にあり、冷たい手がそこだけふっと暖かくなる感覚がする

 首を振った。そんな筈はなかった。だが、痛みは癒えて、身体が軽くなる感じがした。軽くなって、
首を上に向けると、そこには黒いものが見えた。
 漆黒の闇がそこにあった。目を丸く、眉間に皺を寄せた。闇は徐々に降りてきて、和希を包み込んで
いく。
「イヤ!」
 平井和希は確かにそう叫んだ。意識はそこで潰えた。マスクの中で、びくびくと唇や瞼が動いていた
が、それもやがて止まり、安静な表情へと変化していく。
「案外簡単だったかなぁ……」
 どさっとシンクロイエローはその場に倒れこんでしまう。真っ黒で光沢をもった粘質の液体に覆われ
た身体がそこに横たわっている。ハッカーピンクは愉快な顔をして、それを見ていた。
 イエローの背中に出来た瘤――コントロール装置から這い出た液体はレオタード上にその表面に広が
り、生きた生き物のように蠢き、シンクロイエローを包み込んでいく。そのスーツの中で、平井和希は
生きている。
「さあて…はやく連れて行かないと、レッドとブルー、あのバカ博士に怪しまれちゃう……」
 ぐったりしたまま動かないイエローを、ピンクは軽々と持ち上げると、くすくすと微笑んだ――この
正義感の塊のオバサン、これまでわたしのこと散々コケにしてくれたわよね――
「だけど、全知全能の創造神であるハッカーキング様に、背筋伸ばして忠誠を誓っちゃうのよね――あ
ーもう本当に、バッカみたい」



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