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シビレましたぁ…同化されましたぁ…最終夜



お待たせしました
いよいよ最終夜です
特撮番組でヒロインがこんな堕ち方してくれたらもう…
ってわたしがここで興奮しても仕方ないですよねww

素晴らしいご馳走を用意して下さったサワキ様に感謝致します
ホントにありがとうございました。
みなさま、ご感想などをよろしくお願い致しま?す

サワキ様作『 Hacker 2 』 最終夜
どうぞごゆっくり召し上がり下さい。





Hacker 2


 瞼を開いたとき、平井和希は目の裏側を何かが刺すような感覚がした。光はない。目の前は見えて
いる。暗い部屋だ。身体を起こそうとする。だが、掴むところがない。浮いているような感覚、いや
現に浮いている。
「ここは……」
 口に出す言葉が、内耳に聞こえる。自分はどうなったのか、身体を動かす。頭痛がする。闇、暗闇
、虚無、和希は息を呑む。彼女を押さえつけていた飛鳥のひんやりとした肌を思い出す。
「わたしと…したことが……」
 涙は出ない。悲しみもない。恐怖もない。だが、敵に捕らえられたらしいこと、この異常な事態は
敵の拠点のどこかであろうこと、それだけはなんとなく解った。
<――ご明答、シンクロイエロー>
「誰?!……あ、そ、その声は……!?」
<そうさね…私は、メローネフ…シンクロイエロー、キング様からあなたの『措置』をご命令されて
いるのさ…>
 声は笑っている。愉快でたまらないのだろう。その声は、ハッカーの女幹部メローネフ――黒髪の
悪魔だった。
「じゃあ、ここは…ハッカーの基地ってことね…」
<そう…ここは、戦艦クロンシュタットさね…>
 メローネフの姿が見えないが、その表情は見えた。戦艦クロンシュタット――敵の地球侵攻艦隊の
主力艦の一隻だった。戦艦ヴァツーチンとクロンシュタット、それを支援する合計500隻の艦隊を
軌道上に展開させたハッカーは、それで地球人の宇宙進出を拒んでいる。
「そう? ありがとう…わざわざ、私が一番行きたい場所までつれて来てくれて……」
<アハハハハハッ!>不意に耳障りな笑い声がした。目の前に、メローネフの姿が投射されて現れた
。〈シンクロイエロー、あなたは馬鹿さね…〉
 そして、画面がズームアウトする。振り返り様にカメラを見つめていたメローネフは、目の前を向
き直ると、顔を下に向けた。
「ウソッ……」
 そこにあるのは、殺風景な船室だった。丸い窓が壁にはまり、地球が見えている。その光にメロー
ネフの髪がきらきらと光沢を与えていた。細く鋭い鶴のような横顔が綻び、そこにあるものを手に取
り吸い始めた。
「ありえない……」
 メローネフは和希に見せ付けるようにそれを吸った。そこにあるのは、シンクロイエロー――薄汚
れたシンクロスーツに身を包んだシンクロナイツのリーダーが、マスクを剥がされ意識を失って横た
わっている。メローネフは、晒されている平井和希の唇を音を立てて吸っている。
<んんっ…>
 『和希』の顔が、眉間に皺を寄せ歪ませていた。
「あなた、どういうこと…メローネフ…」
 呆然と言葉を続ける和希へ見せ付けるように、じっくりと吸い尽くされていく。やがて、お互いの
唇が濡れていた。メローネフは顔を上げると、そこにいる『和希』の手を取った。
<驚いたでしょう……これは紛れもないあなた…そして、あなたもまぎれもないあなた……だけど、
このシンクロイエローは外見しかなくて、今のあなたには内面しかないのさ……>

 ――平井和希が気を失っている間、ハッカーは彼女の身体から彼女の記憶だけを取り出し、コンピ
ューターに格納した。メローネフの話を要約するとそういうことらしかった。
 和希は瞬きをした。今の自分は、データしかないということ。そんなはずはない。身体は冷たくて
、頭痛はして、感覚が生きている。なのに、データでしかないという……

「それで…さっさと、私の身体を使って、悪事でも働いたらどうなのかしら?」
 和希は言う。殺すなら殺すでさっさとすればいいのだ。なのに、幹部自らでデータ化された人間と
話をしている。メローネフは何かを企んでいる。
<そうさね…あたいは…さっさとあなたを倒したいのさ…だけど、ハッカーキング様が、あなたに一
目置いているのさ……>
 メローネフが彼女のほうを覗き込んでいる。
「一目……?」
〈キング様は、頭の悪い奴は大嫌いなのさね。だから、地球人は大嫌いなのさ。だけど、シンクロナ
イツのリーダーのあなただけは……協力に応じるなら、いかして上げてもいいって言っているのさね〉
「へぇ……」
 『仲間になるぐらいなら死んだほうがマシよ!』とでも言えたら、どんなにいいだろう。事実、和
希もその言葉を言いかけた。だが、ここは完全に敵の手中、このままムダに反抗すれば、死ぬだけだ
った……

<まあ、仲間になれば、あたいの部下として大切にしてあげるさね>
 メローネフは言いながら、和希の身体を撫でている。その口調は倒したいという言葉よりも、本音
を垣間見させた。これまで、剣を交え銃を撃ち合い、シンクロイエローは勝ち続けてきた――そのイ
エローを手ごまに並べることができる――メローネフのサディスティックな横顔に、和希は吐き気を
覚えた。
 口の中に苦いものを感じさせた。
<迷うのは解るさね…だから、考える時間を与えるさね>
 メローネフは向き直ると言った。手の中に四角い箱があり、画面のほうへ手を寄せると、そこから
メローネフの大きな手が現れた。その中に握られた四角い箱が、和希の目の前に置かれる。それはシ
ルバーの金属の下地をむき出しにしたケースだった。その頂点に、ボタンが据え付けられている。ボ
タンは赤い色だった。
<それをおしたら、あなたはあたいの仲間になれるさね>
「やけに親切じゃない? 飛鳥は…ピンクはきっと簡単に洗脳したんでしょう? 有無をいわさず―
―」
<よく解ってるさね>
 和希は思わず微笑んだ。皮肉っぽい顔をしていると自分でも解った。
「たまには私だって、あの子を意のままに動かしたいと思うもの……」
 メローネフは顔を上げた。にっこりと微笑んで画面が消えた。
<考え終わったら好きにするさね。シンクロイエロー? あなたなら、舌を噛み千切って死ぬことぐ
らい簡単さね?>
 それ以上、敵は応えなかった。和希は瞬きをした。暗闇は少しだけ明るくなったように思える。身
体は、黒いスーツに包まれている。戦闘員のようだ。どこかからか光がさして、床が海面のようにキ
ラキラと光を放っている。
 床はボタンまで続いていた。和希はそれを見つめた。足を進めた。スーツは窮屈だった。笑った。
いやだったら舌を噛み千切れ、メローネフは言った。だが、今の自分が、本当にデータなら舌を噛み
切ることに、どんな意味があるのだろう。
<言い忘れてたさ>
 声に和希は振り返らなかった。
<ほっておいても、そのスーツの内部に塗られた液体が、あなたの体温に溶けて――あとは定番の展
開さね>
 ボタンを見ながら、シンクロイエローは微笑んでいる。
 本当にわたしはデータなんだろうか。手を目の前にかざしてみた。胸を締め付けられるような感覚。
これまでの経験が、簡単にわたしを動揺させてくれない。わたしはリーダー。シンクロナイツのリー
ダー、だから、死ぬことは許されない。
 生きていれば、きっとチャンスを掴むことができる。汗を欠いていた。体温があがっているのだろ
うか、動悸がする。これで、さっさとその『液体』とやらは溶けてしまうのだろうか。敵を倒す。だ
けど、今は無理だ。目を瞑った。闇が目の前に広がった。身体を包むスーツの裏側で溶けていくバタ
ーのような何かの感覚を覚えるのは、これはウソなんだろうか。本物のシンクロイエローはメローネ
フにいたずらされて、クロンシュタットの船室で寝ているのだろうか――そして、わたしはコンピュ
ーターに格納されたデータなんだろうか、本当に。
「でも、結局は、死ねって命令は出てないわね……」
 シンクロイエロー・平井和希は瞼を開けた。わたしはシンクロナイツのリーダー、左近博士の命令
権に属している。だから、博士が死ねって命令しなければ死ねない。ピンクや、レッドやブルーに、
しきりに『リーダーとしての命令です』と告げるのは、命令が無ければ勝手な判断を下してはならな
いからだ。
 ボタンはそこにあり、プラスティックの光沢を放っていた。指をあて、奥に押し込むと中にセット
されたバネの感触がした。奥まで押し込んでカチという音がした。
 出し抜けに輝いたスーツは、ゴキブリの羽根のように見えた。そこに見えたのは何かの幾何学的模
様、その奥に見えたのは01という数字の羅列。それは意味を成さない数字に見えた。だけど、和希
には、それが意味のある数字だと解った。
「ウッ……やめて…」
 和希は解った。平井和希は生かされる。だけど、もう正義ではいられない。頭が、犯されていく。

 軽いめまいと吐き気、何かが脳に満ちている。それはメローネフの声に似ていたが違っていた。流
れ込んでくるのは溶岩のような感じを覚えさせた。気持ち悪い誰か助けて。手を伸ばして、目の前を
見ると、メローネフがいた。
「あなたほどの意思の強い人なら、きっといい部下として使えるさね」
 照明を受けて、その身体はカメレオンのように見えた。爬虫類そのものだが、気持ちよさよりも綺
麗さを感じさせる。その背後に並んでいるのはコンピューター。そこは黒いが暗闇ではなかった。黒
いスーツはなくなり、シンクロスーツをまとっていた。身体に目をやると、幾何学的な模様と、01
01という『言葉』が透けて見えた。
「ふふふふっ……」
 わたしは正義なんだ…和希は心の中で呟く――そう、わたしは正義。わたしは、ハッカーキング様
に仕えて、シンクロナイツを滅ぼすことを正しい義務と考える。わたしは正義のヒロインだ…
 メローネフは彼女の肩に手を当てた。ゆっくりと歩くように促す。身体は窮屈だった。肉体とはこ
んなに不安定なもので、ぎこちないものだとは解らなかった。
「さあ、そろそろさね……こっちさね」
 メローネフと共に隣の部屋へ抜けた。そこには大量の戦闘員が詰めていた。コンピューターが暗闇
に並んでいて、部屋中が冷気と空調の騒々しい音に包まれている。
「ここは中央作戦室、イエロー、見るがいいね」
「はい、メローネフ様」
 そこは大型のデスクになっていて、下から照明があてられている。そこに地図がおかれ、びっしり
と線や文字が書き込まれている。
「戦闘用意!」
 出し抜けによく通る声で号令をかけたのは、ハッカーの幹部メストーフだ。
 地図には、クロンシュタットの位置がポリゴンで投影されている。その地図には見覚えがあった。

シンクロベースのあるあたりの地図だ。
「メローネフ様…リーダーはもう……?」
 声に、和希は顔を上げた。ピンクとシルバーを基調にしたスーツに身を包んでいるのは、ハッカー
ピンク、結城飛鳥だった。目の周りが黒くなっていて、顔が青い。
「そうさね、でも、リーダーはあたいさね」
「主砲、交互射撃にて、撃ちー方、始め! てーっ!」
 メストーフは彼女らの会話など気にしない様子で声を上げる。どすんと腹に響くような音響が室内
に聞こえ、振動が伝わってくる。顔を上げた和希の目の前に大きなディスプレイがあり、目の前にク
ロンシュタットの主砲が火を噴いていて、その先には何の変哲もないビルに見せかけたシンクロベー
スの建物があった。
「リーダー…いえ、イエロー驚かなくていいわ。わたしが、メローネフ様にシンクロベースの場所を
教えて、破壊するようにお願いしたんだから」
 飛鳥は言った。和希は彼女を向き直り、その目を見た。数度瞬きをした。不信そうな目つきに飛鳥
がかわるのがわかる。
「メローネフ様、イエローはまだ……」
「ハッカーピンク」平井和希は言った。「よくやったわ。これまでわたしたちは間違えた正義の為に
、ハッカーキング様に逆らってきたけど、それは全て間違いだったわね。ごめんなさい、あなたを指
揮してきたものとして、あなたを間違え導いたことは申し訳なく思うわ」ドキドキしている、和希は
瞬きをした。「わたし……わたしは、ハッカーイエロー。全知全能のハッカーキング様に忠誠を誓う
もの同士、今日から一緒に、地球を支配する為に手を取り合っていくわ。これからは上下無く、メロ
ーネフ様の下で仲良くやりましょう!」
 ハッカーイエローは地図の上に腕を差し出した。ハッカーピンクはややあったあと、その手を取っ
た。
「堅物らしい挨拶だけど、まあいいわ。わたしも、これまでワガママばかりいってごめんね、リー…
…ハッカーイエロー」
「主砲、目標に命中! 次より斉射に切り替え! 虫一匹逃すな!」
 メローネフは笑った。手を取り合うイエローとピンクの向こう側で、ディスプレイの中のシンクロ
ベースは煙を巻き上げながら崩れようとしている。メストーフと戦闘員が命令を繰り返して異様な雰
囲気に包まれている作戦室の中で、2人の女が手をつないでいる。
「さあさね、イエロー、ピンク? 基地壊したら、どうやって、レッドとブルーを捕まえるさね?」



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コメント

非公開コメント

本当にシビレました

今まで描いていた正義と悪が逆転していく様子がうまく表現されていますね。
あのボタンを押したとき、イエローは何を思っていたんでしょうね。

素晴らしい作品でした。サワキ様、ありがとうございました。

ありがとうございます

いやぁ 他人様のところに投稿するなんざ久しぶりで、人様のネタでしかも突発だったので、わざわざあげて下さり、本当に感謝します。
実は2夜までは「続きを書いてみたい」と、こちらに書き込んだ時点で書き終わっていたんですよねw
個人的には基地から脱出したレッドとブルーを追撃するイエロー、ピンクというのも妄想したのですが、オチがまとまらず放置ですね。

ありがとうございます

metchyさん
ありがとうございます
敵だったモノの為に働くことが正義に…
イエローの中に出来た新しい正義はホントに素晴らしい世界でしょうねw

サワキさん
こちらこそ素晴らしいお料理ありがとうございました
そうでしたか、あのときにはもうイエローさんを捕獲されていたのですかw
もし、もしですけど、続きを…何てことになるようでしたら、何時でも仰って下さいw
ホントにご馳走ありがとうございました
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